有給休暇の5日付与の義務化!絶対的に待ったなし
目次
さて、ようやく年次有給休暇の取得が義務化に
有給休暇を申請すると、
露骨に嫌な顔をする上司っていませんか。
有給休暇を取れば査定にひびいたり。
世の中、いろいろな差別やハラスメントがあり、問題視されています。
そういうさまざま問題は、
労基法すら守らないこの国の慢性的な病理にあります。
有給休暇すら与えない会社が、いっぱい存在するんです。
でも、それぞれの事情があって。。。
ハラスメント対策をしている企業、
差別をなくそうとしている企業、
そういう企業でも有給休暇を取らせないところはいっぱいあります。
企業に労務のコンサルティングしている会社。
有給休暇を取らせないところがたくさんあります。
そうです。
有給休暇はお金が発生するんです。人件費が。
だから、経営者と従業員の感覚は違います。
一方で、休ませたいけど休ませられない。
上司が率先して仕事している。
トップが部下の休みの日の埋め合わせをしている。
そういう会社もあります。
それでも今回の年次有給休暇の5日付与の義務化。
待ったなしです。
達成できなければ、罰金は対象一人につき30万円以下とか。
さぁ、どうしましょう。
2019年4月1日から時季指定
使用者は2019年4月1日から、
年間に年次有給休暇が10日以上発生した社員について、
発生日から1年の間に最低でも5日間の有給休暇を
消化させなければなりません。
去年、5日以上の有給休暇を取得している社員は除外されます。
先述のとおり、消化させることができなかった場合には、
労働基準法違反として30万円以下の罰金刑の対象となります。
取得できなかった一人について罰金です。
ですから、会社としては有給休暇を取得していない社員に対して、
会社が「日付(時季)を指定して強制的に休ませる」ことになります。
労働者代表って決めてますか。
計画的付与による時季指定のためには、労働者代表との協定が必要です。
労働者代表は過半数労働組合の代表か、
労働者の代表を選出しなくてはなりません。
会社が選んだ人、たとえば総務課長ではだめですよ。
職員の代表を選ぶ手続きまでみられていますからね。
夏季休暇や正月休暇を有給休暇で処理していた会社は、
労働者の同意が得られれば、比較的導入しやすいと思います。
しかし、5日以上の指定はできません。気を付けてください。
【計画的付与の事例】 ① 会社全体でゴールデンウィークの中日やお盆、お正月などを一斉消化日とする一斉付与方式 ② 社員を班・グループに分けて、各班・グループごとに決められた休暇を取得する交替制付与方式 ③ 社員個人が誕生日や結婚記念日、個人的な記念日に基づいて有給休暇付与計画表を作り、計画表に従って消化していく個人別付与方式 |
労働者が指定日を選ぶ
5日は使用者が勝手に決めていいものでもありません。
あくまでも労働者との話し合いのうえで決定します。
厚生労働省の「就労条件総合調査」によれば、
取得率が最も高いのは複合サービス事業(郵便局や農協など)で64.6%。
最も低いのは宿泊業、飲食サービス業で32.8%となっています。
問題は、労働者の側にもあります。
有給を取りたくないと、自ら取らずにいる人もいます。
「有給休暇なんかとったことない」って自慢する奴ですね。
今回の法改正では、有給休暇の付与日から11カ月を経過した時点で、
まったく消化していない場合は、最終月の12カ月目に、
どれだけ忙しくとも5日間を消化することが義務となります。
もう、早めに、計画的に取るしかないですね。
有給休暇の時間取得は可能なのか?
1日8時間ですから5日分で40時間です。
1日1時間取得なら40日間使えることになります。
正解は時間取得はダメです。
その代わり半日取得が可能です。
15分の遅刻でも半日か1日の申請になります。
でも午前・午後で分ければ、
3時間と5時間でも半日の取得になります。
半日取得の有効な活用も考えてみてください。
ただし、この半日取得は、義務化の5日間からは外れます。
半日ずつ10日に分けることはできません。
年次有給休暇の理由を尋ねるのはNG!
年次有給休暇を取得する際、
申請用紙に「利用目的」を記入させる会社がまだまだ多くあります。
当たり前のように上司が有給休暇の理由を聞いてくる場合もあります。
めんどくさいです。
これが嫌で有給休暇を取得しない人も多いでしょう。
年次有給休暇を何に使うかは、使用者が干渉するべきことではありません。
最高裁判所の判例(弘前電報電話局事件)でも明確に示されています。
たとえそれが優先順位を選ぶために便宜上の要請からだとしても、
あまりよいこととはいえません。
上司が部下の年次有給休暇を、
「利用目的を聞いたうえでその取得を承認」するようなやり方は、
明らかに法律違反です。
まとめ
年次有給化を取得できれば、
労働者のモチベーションにも影響します。
休暇でモチベーションがアップすれば、会社にとっても得策です。
会社全体で年次有給休暇の取得について話し合い、
社員にも有益な有給休暇に取得を考えてください。
間違っても罰金の対象にならないように。