ASIAGAPの導入に向けて①

ASIAGAP(ASIA Good Agriculture Practice)

ASIAGAPとはJapan Good Agriculture Practiceのことで、
「アジアの良い農業のやり方」という意味です。

2018年5月1日に発表され、総合規則は2018年5月1日より運用が開始され、
管理点と適合基準は2018年8月1日より審査の受付が開始されています。

GFSIが承認する国際規格として、
日本国内に展開することを目指すスキームです。
アジア共通のGAPのプラットフォームとして位置づけられています。

JGAP→ASIAGAPの2スキーム化の経緯とポイント

JGAP Advance は、
GFSI の承認による国際規格化を目指すスキームとして、
2016年9月より運用を開始しており、
これまで承認申請の準備を進めてきました。

そして2017年の2月に、
承認の基準となる 「GFSI Benchmarking Requirements」は、
新たに版(Version7)に改定しました。
今回の改定はそれに対応したものです。

また、高温多湿な気候条件など、欧米とは異なる農業生産条件を持つアジア農業の特徴に対応することと、GAP の普及に必要不可欠な指導者育成を推進することを通じて発展してきた日本発のGAPが、今後GAPの一層の普及が期待されるアジアにおける主流の認証の仕組みとなり、アジア共通の GAP のプラットフォームづくりに貢献していく「ASIAGAP」というスキーム名により、明確にしました。

JGAP/ASIAGAPの2つのスキームで、
今後、ますます発展することが望まれます

ちなみに現在のバージョンは「2.1」ですが、
2019年4月16日現在、
「2.2」についてのパブリックコメントの募集が終了したところです。
修正内容はおいおいお知らせします。

まずは、ASIAGAPの内容について、
これから数回に分けて少しずつみていきましょう。

ASIAGAPの理念

まず、ASIAGAPの理念をみましょう。次のように謳われています。

ASIAGAPは人間と地球と利潤の間に矛盾のない農業生産の確立と、生産・流通・消費の信頼関係構築を目指します。

日本及び東アジア・東南アジアの農場に向けて、安全な農産物の生産、環境に配慮した農業、農業生産者の安全と人権の尊重、適切な販売管理を実現するための手法としてASIAGAPは開発されました。ASIAGAPが農場に導入されることにより、持続可能な農業経営を確立するとともに、消費者・食品事業者の信頼を確保することができるようになります。

ASIAGAP とは日本の生産環境および GFSI ベンチマーキング要求事項を念頭に置いた農業生産工程管理の手法であり、農業生産者と農産物の買手側の両者が協力して開発するべきものです。農業生産者が継続的に実行可能であり、かつ消費者・食品事業者の信頼に足る農業生産工程管理を構築する必要があります。

ASIAGAP は農業生産者が自主的に取り組むべき経営手法である一方、その導入の達成段階は審査・認証制度を通して社会に広く認知されるべきであり、農業生産者が農産物販売において供給者としての信頼性を表現する基準としても機能すべきものであります。

農産物の安全を確保して消費者を守り、地球環境を保全し、同時に持続的な農業経営を確立することがASIAGAPの目指す最終的な目標です。

ASIAGAP審査・認証の流れ

JGAPのおさらいになりますが、
ASIAGAPの審査・認証の流れをみていきます。

ASIAGAPも下記の3つの文書で構成されます。

 ① ASIAGAP 総合規則
 ② ASIAGAP 農場用 管理点と適合基準
 ③ ASIAGAP 団体事務局用 管理点と適合基準

ASIAGAP認証までの手順

ASIAGAP認証までの手順は、以下のとおりです。

ASIAGAPは農場管理・団体管理の基準であり、その認証制度です。
よってASIAGAPの審査・認証を受けることができるのは、
農場または団体だけです。

農場とは、個人農家(個人事業主)や農業生産法人など、
一つの農業経営体を指します。

団体とは、JAまたはJA部会、またはその他の生産者団体です。
また、複数の農業経営体が集まった団体のことを指します。

農場が受けるASIAGAPの審査・認証を「個別審査・個別認証」と言います。
団体が受けるASIAGAPの審査・認証を「団体審査・団体認証」と言います。

(1)現状把握とJGAP/ASIAGAPの理解

「ASIAGAP 農場用 管理点と適合基準」を入手します。
 → ASIAGAPの基準書(農産物) 

この管理点と適合基準に認証取得のために必要な条件は、

個人認証の取得には、
 該当する必須項目に100%適合
 該当する重要項目に95%以上適合

団体認証の取得には、
 該当する項目に100%適合

することが必要です。

認証取得のための必要な条件は、厳しいものです。
ですから、導入しようとするときは、
「できている部分とできていない部分」を把握に努めましょう。

また、ASIAGAP団体認証の場合は、
個人認証とは異なり、以下のことが望まれます。

① 現時点において団体で共有しているルールを確認します。
② 団体事務局と各農場の役割分担を明確にします。
③ 団体・農場管理マニュアルの作成します

「ASIAGAP 団体事務局用 管理点と適合基準」を入手し、
団体・農場管理マニュアルの作成します。

そのためには、団体・農場管理マニュアルの構成を決定し、
目次作りなどで作業を明確にしましょう。

それらを、①で確認したルールをASIAGAPに合うように変更し、
これまでルールがなかった項目については新たに設定していきます。

(2)審査から3か月以上前

「ASIAGAP 農場用 管理点と適合基準」に基づく手順を構築し、運営します。
その際、帳票を揃え、運営の記録を残します。

次のステップ1~5を繰り返しながら改善を図っていきます。 

 ・ステップ1:農場内の責任分担の明確化 
 ・ステップ2:生産環境の確認とリスク検討 
 ・ステップ3:「農場管理の作業手順」づくり 
 ・ステップ4:ルールの周知徹底と従業員教育 
 ・ステップ5:記録と検証と自己審査

(3)申し込み

(2)の内容がほぼ網羅できるようになれば、
ASIAGAPの審査を申込みます。
審査費用は、農場規模や作物数などによって異なりますので、
各JGAP審査・認証機関にお見積の上、審査機関をお選び下さい。
 
 >>JGAP審査・認証機関一覧

(4)審査当日

管理点は「全て」審査されます。
それぞれの結果が「適合」「不適合」「該当外」のどれかに決定されます。

(5)審査後4週間以内

(4)の審査で「不適合」になった項目を直します。直した項目は是正報告書にして、審査・認証機関へ送付します。

(6)判定

是正報告書も含めて、審査・認証機関が総合的に判断します。

審査の判定により、晴れて合格基準を満たした農場には、
晴れて「ASIAGAPの認証書」が付与されます。

まとめ

以上がASIAGAP認証までの概略です。
次回からは、管理点と適合基準をみていきたいと思います。

→ ASIAGAPの導入に向けて② 「管理点と適合基準1~3」

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