HACCPを導入する?10のチェックポイント!6~10

HACCPを導入する?10のチェックポイント!のつづきを解説します。

目次

6.教育のための時間をつくる

HACCPは、教育で始まり、教育によって持続させるものです。
HACCPを認識することで、より推進されていきます。

衛生教育は、基礎中の基礎になるので、おろそかにできません。
衛生教育ができていないと現場は回りません。
いや、現場を動かしてはなりません。

この衛生教育が、手間も時間も最もかかってしまうのです。
教育する時間をどうやってつくるのか?

教育は、まとめて何時間もするするよりも、
短い時間で、定期的に実施します。

例えば、定例の曜日の昼食時間の後、15分間を教育に当ててみる。
(昼休みには食い込ませないことが肝心)
テーマは毎回1テーマに絞ること。
昼休みが15分長くなった感覚でできる。

大きなテーマではなく、身近なテーマを選ぶ。
特に現場ですぐに実行できるものを積み重ねていくことが重要です。

教育の内容をイラストや写真などもいれてA4用紙にまとめておき、
掲示板や作業場の入り口に掲示しておくことも、
認識を確実にしていることになります。

また、この用紙に回覧済みのサイン欄を設けておけば、
教育訓練実施の記録になります。

まずは無理のないように、定期的に時間を作ります。
内容は「身近なもの」、「すぐに実行できるもの」「ニュースなどの要注意情報」などから、決めていけばいいでしょう。

7.パレートの法則

パレートの法則とは別名「80対20の法則」とも呼ばれています。
「組織全体の2割程の要人が大部分の利益をもたらしている」
というようなことです。
大部分の原因は小さな部分にある」とも言えます。

これはクレーム処理にあてはまります。
例としては、毛髪混入クレームの90%が、
たった一つの工程から出ていることが分析の結果わかりました。
この工程における対策を徹底したことで問題の解決に成功したのです。

原因となる工程を探し出し、
そこに集中して管理を行なうことで、危害を防止する手法です。

8.他の工場を見学してみる

他社の衛生管理を見学させてもらうことで、とても参考になります。
異業種で見学すれば、それほど抵抗もないでしょう。

あらたまって他の工場を見学する機会はあまり無いと思いますが、
販売促進の目的で工場見学を行なっている工場は結構あります。

見学可能工場が紹介されている書籍もあるので、
そのような情報から、いくつかの工場を見学されることをお勧めします。

9.どこで承認、認証を得るか

総合衛生管理製造過程での承認以外にもいろいろな認証があります。

① 業界団体のHACCP認定

厚生労働省におけるHACCPの認定・認証は、明確には存在しません。
厚生労働省は、「総合衛生管理製造過程(通称:マル総)」です。

対象商品は、容器包装詰加圧加熱殺菌食品、乳、乳製品、清涼飲料水、
食肉製品、魚肉練り製品の6種類に限られています。

業界団体のHACCP認定は、
適用範囲が各業界・業種ごとに定められていいます。
導入しやすいように手引書等もつくられています。

業界団体のHACCP認定を目指す事業所は、
下記の指定認定機関に相談してみるのも良いでしょう。

【指定認定機関一覧】
農林水産省のページ  http://www.maff.go.jp/j/shokusan/sanki/haccp/h_nintei/

② 地方自治体のHACCP認定

地方自治体によるHACCPの認定は「地域HACCP」とも呼ばれ、
中小企業でも取得しやすいことが特徴です。

対象製品や適用範囲は限られていますが、
各自治体が独自で定めた基準に則った審査を行っています。

最新の動向は、
一般財団法人 食品産業センター
「自治体HACCP等認証制度」のページをご覧ください。
https://haccp.shokusan.or.jp/rules/municipal/

③ 国際規格のHACCP

HACCPの認定・認証には、
「各種業界団体の認定」や「地域HACCP」のほかにも、
「ISO22000」や「FSSC22000」などさまざまなものがあります。

管理手法は、
海外(米国、カナダ、EUなど)ではすでにその導入が義務化されており、
国際標準となっています。

HACCPは「取得」するためだけに構築しても意味はありません。

運用して、製品を安全かつ高品質にし、
商品力を高めるということが目的であるなら、
まずHACCPを運用することです。

しかし「目的」「目標」を明確にすることで、
HACCPの構築を強力に推進することも可能になるので、
これら認証に仕組みを活用してみてもよいでしょう。

10.文書は誰が見てもわかるように

HACCPの運用と継続のためには、監査が必要です。

監査は、内部監査と外部監査にわかれますが、
外部監査を何らかの形で実施しないと、不正や間違いの原因にもなります。

実際のところ、
シンプルで「分かりやすい」ことは、
効率的かつ効果的な運用の大きなパワーになります。

作業手順書やマニュアルなどの文書類、チェックリスト類を作成する場合、
保健所や審査機関に提出するためだけでなく、
内部でも理解しやすいように留意するのはもとより、
外部の第三者がみてもわかるように作成しておかねばなりません。

まとめ

ここまで、
HACCPを導入するための10のチェックポイントをみてきました。

お金はかからないことも理解していただけたと思います。
また、「HACCPありき」ではなく、
結果として「HACCPが構築されていた」ということが重要です。

実は簡単なHACCPの導入。
皆さんもやってみませんか。

 

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