開設!貸切バス会社の安全性を検索できるサイト

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安全競争が進む-軽井沢スキーバス事故から3年

2016年1月15日の未明に、
長野県軽井沢町の国道18号「碓氷バイパス」で、
東京から長野県へのスキー客を乗せていた貸切バスが事故を起こしました。

事故は、対向車線を越え、反対側の道路の外に転落したもので、
15人が亡くなり、残る26人も重軽傷を負うという大事故です。

法定の運行前「点呼」が実施されていない、
「運行指示書」に具体的なルートが記載されていないなど、
最も初歩的なルールさえ守られていなかったことが明らかになりました。

この会社は、「新運賃・料金制度」を下回る金額で仕事を受注していました。
法律も規制も常も無視して営業していたのは、
バス事業者としての安全意識が全くと言っていいほど欠如しています。

強化される安全対策

その後、国土交通省やバス業界、
そしてバス車両のメーカーらは、
再発防止策の策定に取り組んでいます。

まず、法律が改正されました。

国土交通省は、「貸切バス事業適正化実施機関」を指定します。
同機関は各事業者を巡回し指導し、
時に問題が多い事業者があれば通報するなど、
国による監査が優先的に行われる体制が作られました。

2017年度より、貸切バスの事業許可を「更新制」とし、
各事業者は原則として5年おきに国による審査を受けなければ、
事業を継続できなくなりました。

対象事業者のうち1割以上が、
この「更新制」により、更新を辞退し貸切バスの営業を廃業しています。
悪質な事業者を退出させる仕組みができたわけです。

安全運転は人間だけでは限界がある

どれだけ厳格に運行管理を行っていても、限界があります。
そこで、バス車両にもさまざまな取り組みがなされています。

2014年以降に新造される貸切バスや高速バス車両には、
「衝突被害軽減ブレーキ:自動ブレーキ」(衝突の危険があるときに自動で減速または停止する)を搭載すること、2017年以降は、事故防止や事故の原因究明に使われる「ドライブレコーダー」も、貸切バス全車に装着することがが順次義務化されています。

2018年からは、日野自動車といすゞ自動車が販売する大型貸切バス、高速バスには「ドライバー異常時対応システム(EDSS)」(運転手が運転中に意識を失った場合など、バスガイドや乗客がボタンを押すことでバスが自動停止するシステム)の標準搭載が始まりました。

今後は他車種への展開やさらなる技術の高度化が進むことを期待します。

安全性の見える化-「可視化」

ドライバーを含めたバス会社としての安全対策や教育を徹底し、
法制度の整備や規制の強化や、車両への物理的な安全システムの導入など、
安全対策を徹底することは重要です。

しかし、それらの「コスト」「投資」に変えなければなりません。

大手旅行代理店の旅行パンフレットをご覧になればわかるように、
貸切バスの会社は、航空機や列車の扱いより、
若干、いや、大幅に見劣りしませんか。

旅行の大半を貸切バスで移動するのに、
旅行のパーツとされるのは、いかにももったいない話です。

日本バス協会は、
「貸切バス事業者安全性評価認定制度」(通称:セーフティバス)により、
事故歴を反映して安全性の高い事業者を認定するなど、
バス事業者の取り組みを評価しています。

全国約4500社のうち、2018年12月現在で1718社が認定済みで、
そのうち318社が最難関の「三ツ星」を取得しています。

ようやく大手旅行会社を中心に、
同制度認定のバス事業者に限定する動きも生まれてきました。
貸切バス事業者のレベルアップにつながっています。

人材確保にもつながる

海外旅行者が毎年のように増加しているのに、
それを支える輸送に、高齢化が進んでいます。
貸切バスも現実は、人材を確保するのは悩みの種でしょう。

まずは、自社のアピールポイントを明確にすることです。

安全運転を徹底し、
整備されたバス車両を提供し、
そして、世間からも評価されている。

そういうことは、
利用されるお客様だけでなく、
ビジネスパートナーや人材の確保にまでつながります。

貸切バス会社の安全性が検索できます

国土交通省では、2019年3月1日より、
軽井沢スキーバス事故を踏まえた対策として、
全ての貸切バス会社を対象に、安全情報の報告を義務付けています。

貸切バス会社の、安全への取り組む状況によって、
利用者に選択されることを目指すため、
各社の安全情報を分かりやすく検索できるサイト、
「自動車総合安全情報」のページが開設しました。

「安全に取り組むバス会社」を、
利用者が選択しやすくなるツールの一つとして、
貸切バスを手配する前に、是非ご利用ください。 

このサイトには、
貸切バス会社の安全性の指標として、主に以下の項目を公表しています。

【主な公表項目】
○事業者情報
・事業者名、営業所名・事業者団体への加入状況
・貸切バス事業者安全性評価認定(★★★、★★、★、なし)
○保有車両
・保有車両数、平均車齢
・ドライブレコーダー、先進安全技術(ASV)導入率
○管理体制 ・運行管理者数、整備管理者数○運転者
・運転者数
・平均勤続年数
・平均給与月額の水準(A,B,C,Dランク)
○事故・違反歴
・事故件数(走行10万台キロ当たりの事故報告件数)
・行政処分(過去3年間)

 

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