HACCP(ハサップ)-洗浄で大切なこと

目次

洗浄のキーポイント

前回、
最低限度の「整理整頓」「清掃」「洗浄」について、
述べさせてもらいました。

それは費用がかからないという説明でしたので、
今回は、効果についてです。

そもそも「清掃」や「洗浄」の目的は、
食中毒の防止をはじめとする、衛生管理です。

完璧に無菌状態ですが、
食品に清掃や洗浄に使われた薬剤の臭いが残るようでは、
意味がありません。

そこで、「清掃」と「洗浄」のキーポイントを、
もう少し述べさせていただきたいと思います。

製造する空間を整理整頓すること

製造する空間を整理整頓すれば、
「洗浄」の作業も容易になります。

整理整頓に際して、
清掃や洗浄に使う道具や洗剤、洗浄機器等を、
一箇所にまとめておくことは、とても有用です。

そもそも製造中に清掃用具はまったく必要ありませんから。
これだけでも、製造空間のかなりの部分が、
いわゆる「デッド・ゾーン」が生き返ることでしょう。

特に薬剤を製造の場所から、別の場所に移すことで、
食品や容器、器具に薬剤がかかることもありません。

まずは、整理整頓をきちんとすることです。

薬剤の小分けなど

残念ながら、
過去には食品に洗剤が混入してしまう事故がたくさん起こっています。

飲料に混入してしまったり、
もともと飲料や調味料が入っていた容器を使って薬剤を保管していたりして、
大事故につながった例も少なくありません。

製品そのものに混入しなくても、
すすぎ不足で臭いが残ってしまい、
「薬臭い」との理由で回収される事例も後を絶ちません。

殺虫剤や殺菌剤など、
必要以上に、いや、必要性が薄いのに使ってしまうと、
食品に混入する可能性が高まり、
量が多ければ人に危害を与えることになりかねません。

この問題を解消するために、
これらを一カ所に保管するようにし、
使用時には必要なだけを持ち出すように徹底することが重要になります。

必要な量を定めておき、
小さい容器に小分けする方法も、ひじょうに有意です。

実は費用の削減(コストダウン)につながる

これらのことを実践すると、
洗剤や殺菌剤、あるいは殺虫剤の使用量が減り、
洗浄水の節約にもなります。

さらに、食品の安全性が高まるので、
回収や返品、補償などの少なくない費用が発生する確率が低くなります。

安全とコストダウンの両方につながるのです。

それまで施設と設備機器の洗浄について、
洗浄する人が適当に自由にやっていたところがあります。
これでは清掃の度合いや清掃の時間に個人差が出てしまいます。

それだけではなく、
この個人差は、洗剤と殺菌剤の使用量まで違いが出てしまいます。
洗剤も殺菌剤も必要以上に使用してしまう人もいるでしょう。

結局、マニュアルを作成し、
洗剤や殺菌剤の希釈度を定め、水ですすぎ洗浄し、
最後に適正に殺菌をすると決定し実践したら、洗浄の効果が向上しました。

洗剤や殺菌剤の使用も少なくなり、
水の使用量はあまり変わらないまま効果があったということです。

結果的には、劇的に清潔になったわけです。
土台がきれいになれば、防虫防鼠の効果も現れてきて、
殺虫剤を使用する機会も減り、コストダウンにつながりました。

HACCPの生み出すコストダウン

このように、HACCPはお金がかかるではなく、
お金がかからない方法があるということを知っていただきたいのです。

小規模の企業や個人の商店さんも、
ぜひご一考ください。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA